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海水浴の思い出

また酷暑の季節がやってまいりましたわね。皆様におかれましては如何お過ごしかしら。

年を追うごとに夏はアタシに牙をむきます。毎年もうダメ、もう乗り越えられないと思いつつ、青息吐息で秋を心待ちにするの。
夏が無ければ日本も良い国なのにねえ。


そんな今日この頃だけど、今年の夏はなぜか無性に海水浴がしたいのよ。
最後に行ったのはもう十年以上前になるわ。西伊豆の冴えないビーチに相棒と二人で一泊二日で行ったわね。ひと部屋をパーティションで仕切っただけの、隣の声がまる聞こえの安宿をとって。
あれはあれで良い思い出だったわね。相棒ともまだラブラブだったし。


海水浴といえば思い出すのは、阪神間にある須磨浦海水浴場の少し先にある、塩屋というビーチ。

中学時代、神戸から来た転校生と仲良くなり、夏休みの度に須磨浦公園(源平の合戦のあった一の谷のあたりね)と、この塩屋ビーチを案内してくれたわ。

須磨のビーチに比べて狭いので、人も少なくのびのびできるのね。

中学を卒業してから縁遠くなったけど、その何年か後、また別の目的でこの塩屋ビーチへ行くとは自分でも予想だにしなかったのよ。

そうわかる人にはわかる、塩屋は阪神間随一のゲイビーチだったの。
そういえば中学生の身にも、なぜか女性を殆ど見かけないなあと思い当たることもあったわ。

いっぱしのゲイになってから訪れてみると、まあ居るわ居るわ、あそこにもゲイ、ここにもオカマ、あら向こうには近所の店のママと従業員が。
飲み物を買おうと一軒だけあった海の家へ行くのに浜辺を横切ると、あっちこっちから「あらねえさん!」「ちょっと奥さん、おにぎりどう?」「あらママ、良い男居た?」などと、陽光燦々と輝く光景にはおよそ似つかわしくない嬌声をかけられて、ドリンク買うのにも一苦労。

人目も憚らずふたりで乳繰り合うゲイカップル、徐にテトラポットの死角へこそこそと隠れる二人連れ、男たちの視線は陽の光を遮るほどの密度。
なかなかに健康的な風景と光景がそこここに見られたわ。


たまに一般客で賑わう須磨ビーチの方から、「おっこりゃ人が少なくていいぞ。」とばかりにサーファーの兄ちゃん達が紛れ込んでくるんだけど、しばらくして余りの異様な雰囲気を察して、サーフボード抱えてそそくさと退散していくのよ。
中には、そんないたいけなサーファーを女とは名ばかりの化け物のようなニューハーフがナンパしようと急接近してきたり。
何人かはその毒牙にかかる男の子も居て、お持ち帰りされたりもしてたようね。

浜辺の上の方にはJR神戸線の線路があって、そこにもナルシストの権化のようなゲイ達が、糸のような海パンを誇らしげに履いて歩き回り、通り過ぎる電車の乗客達の視線を浴びてうっとりしてたりするの。
電車の中から悲鳴が聞こえたような気がしたのは、気のせいじゃないと思うわ。アタシが見ても異様な光景だったもの。


嗚呼懐かしい。今からもう三十年近くも前の話。
今でもあの頃のような微笑ましい光景が繰り広げられているのかしら。
また訪れてみたい気もするわ。


でも線路の脇の恍惚とした表情のオカマが、一匹くらいよく電車に轢かれて死ななかったものね。
そんな死に方したら、末代まで語り草になるわよね。


ねえ誰かイケメンの方、アタシと一緒に海水浴に行かない?その日だけアタシの恋人になって!
そして砂浜にアタシと貴方の名前を相合傘に描いて、「いやーん、波が消しちゃうん!」って叫んでみたい。

うーーん、どうやら暑さでアタシの脳みそが腐乱してきてるようだわ。
by mothra0428 | 2010-07-21 14:05